3Qだけで0.8億台! スマートフォンの世界市場動向

スマートフォンが現状どのくらい売れているのか調査しました。

2010年第3四半期の販売台数: 携帯電話は4億台、スマートフォンは0.8億台

2010年第3四半期(6月〜9月)に世界中で4億1,700万台の携帯電話が販売されました*1。2009年は通年で12億台の携帯電話が販売されましたが*2、2010年はまず間違いなく2009年の数字を更新することでしょう。先進国と呼ばれる国々の人口は10億人程度ですので、開発途上国の人々にも爆発的な勢いで携帯電話が普及していることになります。デジタルディバイドは急速に解消に向かっているのかもしれません。

第3四半期に販売された4億余台の携帯電話のうち、8,100万台がスマートフォンでした。現時点でも新規販売のうち2割程度はスマートフォンということになります。特にアメリカでは新規販売のうち半分弱がスマートフォンです*3。日本でも数年後には同じ状況になるだろうという予測も出ています。携帯電話の爆発的普及×スマートフォンが占める割合の拡大という二重の効果で、スマートフォンは猛烈な勢いで勢力を増しています。

ちなみに2010年第3四半期に販売されたPCの台数は8,830万台*4。すでにスマートフォンはPCと同じくらい販売されているんですよ。

スマートフォンOSシェア: 世界ではSymbian圧勝、アメリカではAndroid圧勝、日本ではiOS圧勝

2009年と2010年第3四半期に世界中で販売されたスマートフォンの搭載OSのシェアは以下の通りです。

Symbian

日本に住んでいると想像もできない話ですが、世界市場ではSymbianが1位の座を占めています。スマートフォンの老舗メーカーであるNokiaのOSであることもあり過去にはほぼ独占状態でしたが、最近はライバルの出現により急速にシェアを落としています。こんな記事が出ていることからも辛い状況が伝わってきます。ただSymbian発展途上国のユーザーに力を入れているという話もあり、上手く住み分けていくのかもしれません。

Android

1年でとてつもないシェアの拡大を成し遂げたのはAndroid。2009年時点で4%だったものが2010年には26%になっています。MotorolaのDroidが販売されたのが2009年11月のことで、このあたりから爆発的な拡大が始まったようです。

iOS

AppleiOSは17%のまま変わらず。もちろんスマートフォン市場自体が拡大しているので販売台数自体は大幅に増えているのですが、Androidの躍進もあってシェアは伸ばせなかったようです。

BlackBerry

BlackBerryは辛い戦い。通信の安定性や安全性に定評があるOSなので国家機関や企業からのニーズは今後も安定して見込めるでしょうが、一般向けには苦しいかもしれません。

Windows Mobile

Windows MobileはPCでは考えられないほど存在感を示せていません。2010年10月に出たWindows Phone 7がどこまで食い込めるか注目です。Windows系の開発ノウハウを生かせるので企業中心に一定のニーズは獲得できるでしょう。

アメリカと日本の状況

ここまでの話は世界市場の話です。スマートフォンのOSシェアは国によって大きく異なります。アメリカでは販売台数ベースでAndroidが4割、iOSが3割弱、BlackBerryが2割です。稼働台数になると3社がちょうど同じくらいのシェア(3割弱)を分け合っています。日本では販売台数ベースでiOSが6割、Androidが3割です*5。集計期間後にSharpIS03SamsungGalaxy Sなどが販売されたので、現時点ではAndroidがさらにシェアを奪っているでしょう。

2015年までに25億台のスマートフォンが販売される

アイルランドの調査会社Research and Marketsは、2010年から2015年にかけて世界中で25億台ものスマートフォンが販売されるという予想を出しています。*6。これは年間24%もの高成長率を意味しています。そして現在のスマートフォン販売台数の伸びはそれが十分実現し得る未来であることを示唆しています。

現在の世界人口は69億人です。驚くべきダイナミックな変化と巨大なビジネスチャンスが広がりつつあるのです。

著者 Y.S.